おととし、和歌山市の選挙の演説会場で自作の爆発物を投げ込み、岸田前首相らを殺害しようとした罪などに問われている木村隆二被告(25)の裁判員裁判。
木村被告は殺人未遂罪について、殺意を否認していて、「殺意の有無」が争点となっています。
これについて関西テレビ「newsランナー」でコメンテーターの菊地幸夫弁護士は、「被告が爆発物の威力を認識していたかどうか」指摘しました。
■専門家の証言 ある程度大きな意味を持つ
犯行に使われた爆発物について、木村被告側は「大きな音を出すためのものだった」と説明し、「殺意はなかった」と主張しています。
一方で検察側は、「爆発物には殺傷能力もあった」、「殺意もあった」と主張していて、両者の主張が対立しています。
【菊地幸夫弁護士】「やはりこの爆発物の威力がどれだけのものだったのかっていうのは大きな問題だと思います。その点、専門家の証言が行われたということですから、それはある程度大きな意味を持つと思います」
裁判では、証人として出廷した専門家が、爆発物を再現して実験をした結果として、「殺傷能力があると思います」と証言していました。
■「5メートル離れた木の陰から」
【菊地弁護士】「あとは被告人がその威力を認識していたかどうかですね。検察側の被告人質問の内容で、木村被告が爆発物の実験を行った際のことについて、『5メートル離れた木の陰から、見ているっていうのは、自分を守るためじゃないのか』っていう(質問をした)。
これはなかなか鋭い質問だと思うんですけどね。その辺を考慮して裁判所が判断することになると思います」
なお木村被告は裁判で検察側の「身の危険があると思ったのではないか」という質問に対し、「特にはないです」と答えています。
(関西テレビ「newsランナー」2025年2月6日放送)