女性との性的関係を巡り去年12月、議会から不信任決議を受けた大阪府の岸和田市長に、2度目の不信任案が提出され可決されました。
不信任決議をうけて永野市長は取材に応じ、今後行われる市長選については、「市政について改革は道半ばでやるべきことはある。(出馬は)これから検討していきたい」と話しました。
また、去年12月に議会を解散させたことについて、改めて大義はあったのかと報道陣に問われると「僕としては不信任案にこそ大義がない」と述べました。
■「不信任決議に大義はない」と市長が議会解散も 不信任決議に賛成の前職20人が市議選で再当選
岸和田市の永野市長をめぐっては、2019年からおよそ1年半にわたり、性的関係を強要されたとして大阪府内の女性から損害賠償を求める裁判を起こされ、解決金500万円を支払うことなどで和解しています。
永野市長はこれまで、不倫関係にあったことは認めたものの、性加害については否定し、市長を続投する意向を示していました。
しかし、市議会は去年12月、「混乱を招いた市長の責任は重大」などとして不信任決議を可決。
永野市長は「不信任決議に大義はない」として議会を解散しましたが、今月行われた市議選で不信任決議に賛成した前職20人が再当選しました。
■2度目となる不信任案が提出、可決される
17日始まった議会で市議会は「大義のない解散だった」などとして、市長に対し、2度目となる不信任案を提出しました。
なお、永野市長の妻である永野紗代議員は、地方自治法の「自分や配偶者などの事件については、その議事に関われない」という規定により、投票することができず、議場からも退出しています。
岩崎雅秋市議は「岸和田市は大混乱で異常事態である。その混乱を招いた市長の責任は重いにもかかわらず、市長は辞職しないだけでなく、大義なく議会を解散し莫大な血税を使ったことは言語道断である」と提出の理由について述べました。
不信任案は永野紗代議員を除く市議会23人全員の賛成で可決されました。これにより市長は自動失職することになります。
■「市政について改革は道半ばでやるべきことはある。(出馬は)これから検討していきたい」と市長
不信任案可決を受けて永野市長は取材に応じ、職員や市民へ感謝の言葉を述べ、不信任決議について重く受け止めると述べました。
【岸和田市 永野耕平市長】「7年間、岸和田市の課題に一丸となって取り組んできた。協力いただいた市民のみなさん、一緒に議論積み重ねていただいた職員、議会に心から感謝したい。不信任決議は民意だと思います。重く受け止めます」
今後行われる市長選について出馬の意向を問われると、「市政について改革は道半ばでやるべきことはある。これから検討していきたい」と話しました。
■「僕としては不信任案にこそ大義がない」
また、不信任案の内容については「文書の内容については全くおかしいと思いますし、違うなと思う部分はたくさんある。僕としては不信任案にこそ大義がない」と述べました。
Q議会の解散という選択を取ったことに間違いはなかったか?
【岸和田市 永野耕平市長】「僕としてそうせざるを得ないという感じですね。不信任決議が出されて、自動失職して市長だけが辞めて、選挙をするというのは、一番ウケがいいです。ですが、あの文書、しかも自分を議会から締め出して進める審議のやり方が許されていいのかと思いました。
(例えば)誰か別の方が市長をしている場合、僕が一市民なら、許せないと思うんですよね。僕らが市民として一人の人を市長として選んだ、その人を入れずに、議会の審議を行って最後まで決めてしまう。これが民主主義として許されるのかと強く思ったので、なかなか自動失職を選べなかったです」