匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」のトップとみられる男が、悪質な“点検商法”の疑いで逮捕されました。
取材をすると、投資家としてSNSなどで派手な生活を投稿していた男の裏の顔が見えてきました。
■芦屋の高級住宅に住む羽振りの良い生活をする男… トクリュウのリーダーか 容疑者として逮捕
(Q.家賃っておいくらですか?)
【斎藤容疑者のSNS】「家賃って概念がなくて、住宅を買ってるんで、多分6億円くらいじゃない」「このソファは総額で千何百万みたいな。音響機材とテレビで2000万くらいじゃないですか」
男の自宅は、高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市。 SNSなどで派手な生活ぶりを披露していました。
【斎藤容疑者のSNS】「フェラーリF8 Spiderですね。6000万円を超えてたかと。それよりも高いのがこの絵なんです。バンクシーなんですよ、これはもう…億」
高級車に絵画と羽振りの良い生活の裏に、男の別の一面が…。
【記者リポート】「午前8時20分です。匿名・流動型犯罪グループいわゆる『トクリュウ』のリーダーとみられる男が、捜査員に連れられて出てきました」
18日、容疑者として逮捕されたのです。
■“点検商法” 屋根の修繕工事と投資家 憧れ持った若者にリフォーム会社を仕事先として斡旋
投資家の斎藤大器容疑者(33)が、手を染めていたと疑われるのが、いわゆる“点検商法”。
去年、すでに逮捕・起訴されている、リフォーム会社社長の西村元貴被告(27)らと共謀し、京都府などに住む男女3人に対し、屋根の修繕工事の契約を結びました。
その際、クーリングオフが出来ることを故意に告げなかったうえ、必要な契約書面を交付しなかった疑いが持たれています。
【斎藤容疑者のSNS】「ビットコイン、これから急激な上昇や下落が考えられる。その中でFXの良さがあって。御堂筋をまさかフェラーリで走れるなんてね、夢のまた夢の庶民育ちなんで」
派手な暮らしをSNSなどでアピールする、投資家と屋根の修繕工事。一体どのようなつながりがあるのか?
斎藤容疑者は西村被告が経営する、リフォーム会社の実質的なオーナーだったのです。
そして…。
【斎藤容疑者のSNS】「頑張れば、絶対にその人たちに追いつけるし、追い越せるので、その意味を込めて、ぜひどんどんDMをいただければいいのかなと思います。教育システムがしっかりしてるので、3カ月もあれば1000万円のレールにのれる。年収1000万円のレールに!」
自身に「履歴書を送れば大金を稼げる」と宣伝。
憧れをもった若者が斎藤容疑者にメッセージを送ると、リフォーム会社を仕事先として紹介する、斡旋の役割も担っていました。
■「煽りの念押し」斡旋された若者は“マニュアル”に沿って不安をあおり契約結ぶ
これはリフォーム会社の営業マニュアル。
【押収した“営業マニュアル”】「屋根の鉄板が外れかけてるんですけど、気付いてないですか?」「非常に危険な状態ですよ!」「最近能登地震があったと思うんですけど、倒壊したほとんどのお家が、屋根のバランスが悪いことが原因で、積み木のように崩れて倒壊してしまったんですよ」
中には、「煽りの念押し」などの言葉も…。
斡旋された若者は、このマニュアルに沿って言葉巧みに高齢者などの不安をあおり、工事の契約を結ぶ、“点検商法”の手口を繰り返していたとみられます。
調べに対し「弁護士と相談してから話します」と答えている斎藤容疑者。
警察は斎藤容疑者がSNSなどで実行役を集めて犯罪行為を繰り返す、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」のトップとみて実態を調べています。
(関西テレビ「newsランナー」2025年2月18日放送)