斎藤知事の疑惑に端を発し、混乱が収まらない兵庫県。
去年、兵庫県知事選挙の期間中、NHK党の立花党首によって流出した非公開の証人尋問の音声データ。
「立花氏に音声データを提供したのは私です」
19日、疑惑を調べる百条委員会の委員でもある、維新の議員が驚きの告白をしました。
■百条委員会のメンバーの維新所属議員が非公開の音声データを立花氏に渡す
【日本維新の会 吉村洋文代表】「本人たちの思いというのがあるのは分かるが、ルール違反。しかも相手方は他党の党首ですので、ルール違反だと思います」
日本維新の会の吉村洋文代表が言及したのは、19日夜、維新の兵庫県議が配信番組で明かしたある発言についてです。
「立花氏に音声データを提供したのは私です」
発言をしたのは、維新所属の増山誠議員。
斎藤兵庫県知事の疑惑について告発した文書の真偽などについて調べている百条委員会のメンバーです。
■影響に配慮して非公開にされた音声データを流出…「県民が事実を知った上で行動する穂王が大切」
問題となっている音声データは、去年10月に開かれた百条委員会で録音されたもの。
この日は、片山元副知事に対する証人尋問が、知事選挙への影響に配慮して非公開で行われていました。
しかし、NHK党の立花孝志党首が尋問中の音声データをSNS上に公開。
音声には片山元副知事が、告発者の私的な情報に触れた時に、奥谷委員長が遮る場面が含まれていました。
増山県議は、非公開の音声を流出させた理由について…。
【維新の会 増山誠県議】「県民がより事実を知った上で、(投票)行動する方が大切だと思った」
さらに、百条委員会の副委員長を務める維新の岸口実県議も、「元県議が知事失職の黒幕」と書かれた文書を、立花党首に対して渡した際に同席していたことが問題に。
2人は百条委員会の委員について、辞職願を提出し、許可されました。
■「できるだけ速やかに対処し、結論を出す」と兵庫維新の会代表
これらについて20日、兵庫維新の会の代表も取材に応じました。
【兵庫維新の会 金子道仁代表】「秘密会であるべき百条委員会の情報が、兵庫維新の県議2名によって外部に出たことは大変残念。できるだけ速やかに対処し、結論を出していきたい」
■「最終調査中、最終確定をして記者会見を開く」と維新の会・吉村代表
なぜこのようなことが起きたのか、日本維新の会の吉村代表は…。
【日本維新の会 吉村洋文代表】「事実最終調査中ですので、事実認定を最終確定をして、記者会見を開いて、皆さんにきちんとご説明しますから、その上で処分ついて検討することになる」
増山県議と岸口県議は、今週末にも自ら経緯を説明するということです。
■「偽計業務妨害、窃盗あるいは業務上横領 法的な問題は発生」と菊地弁護士
百条委員会の委員という立場の2人がこういった行為を起こしました。
番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士は、「法的な問題は発生する」と指摘します。
【菊地幸夫弁護士】「百条委員会で、これは秘密にすると決めたわけです。色んな配慮のもとに。それを議員がこうやって秘密事項を流出させることは、例えば、百条委員会の業務を妨害する偽計業務妨害とか、音声データがどういうものなのかUSBメモリなどがあって、それを勝手に持ち出したということになると、窃盗あるいは業務上横領ですね」
「地方公務員法の守秘義務違反は、特別職の人たちが対象なので、それが直ちに適用になるかはちょっと問題があるかと思うんですけど、法的な問題はいずれにしても発生すると思います」
■「本当に議員の姿勢としてそれでいいのか」
関西テレビの神崎報道デスクは倫理的な問題を指摘します。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「維新の議員は、そもそもこの問題が発覚した時から斎藤知事擁護の姿勢であったのかもしれませんが、手段を選ばないというか、立花さんの力を借りてまで、斎藤さんを守ろうとしたと。今回、百条委員会の委員は辞めるということなんですが、本当に議員の姿勢として、それでいいのかどうかですね。本当に出したらだめな情報を外に出したりとか、そういうことをしたことは、本当に議員として倫理観的にどうなのかというのはあると思います」
2人に対して維新としても「処分を検討している」ということです。
(関西テレビ「newsランナー」2025年2月20日放送)