兵庫県の斎藤知事の疑惑を調査していた、百条委員会の委員会のメンバーだった、維新の増山誠県議が、知事選への影響を考慮して「非公開」とされた百条委員会の録音データをNHK党の立花党首に提供していたことが発覚。
また同じく維新で、百条委員会の副委員長だった岸口実県議は、「黒幕は竹内県議(知事選後、議員辞職ののちに死亡)」という内容の文書が立花党首に手渡される場に同席していたことがわかりました。
2人はいずれも百条委員会の委員を辞職しています。
これについて、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した社会学者の古市憲寿氏とジャーナリストの石戸諭氏は相次いで、議員なのだから「自分で発表すべきだ」と批判。さらに古市氏は、立花党首のように誰もが発信できる時代になったことで、「選挙の混乱ますます避けられない」と述べました。
■古市氏「議員だから自分で発表できる立場」
【社会学者 古市憲寿氏】「議員なわけですよね。だから覚悟があるんだったら、立花さんに流すんじゃなく、自分で会見を開くなりSNSなりで『自分の入手した情報では、こうです』ってことを発表できる立場にあるわけじゃないですか。
それをしなかったのは議員として、ちょっとずるいなと思っちゃうと思うんですよ。だからやっぱりこれは、『兵庫維新』のみならず、維新の会全体の責任問題に発展してくるんじゃないかなと思いますね」
そのうえで古市氏は、県議会議員という公的な立場である人物が、立花党首に情報を提供することで匿名で世論を動かそうとしたことが問題だと述べました。
【社会学者 古市憲寿氏】「匿名が共有される場合って、本当の例えば弱者というかだったりとか、もしくは報復の可能性がある一般人だとかの場合は、匿名の合理性ってあると思うんですけど、でも今回の場合は、議員っていうまあ公的な立場の仕事をされてる方で、『自分の名前でどうした』じゃないですか。
その議員の方が、ある種、匿名で世論を動かそうとしたってことに関して、やっぱり問題があると思うんですね」
■「党の中で決着つければよかったのに」
この古市氏の意見に対して、ジャーナリストの石戸諭氏も同意し、「『マスコミに握りつぶされる』と言うが、党として発信するなど方法があった」と指摘しました。
【ジャーナリスト 石戸諭氏】「(維新全体の問題に発展する可能性は)あると思いますね。大いにあると思います。というか、そこが本題で、立花さんに流して、立花さんが何を言ったかっていうのは、それは立花さんの問題でしかないんだけど。
じゃあこの増山さんにしても、岸口さんにしても、その音声や文書を立花さんに渡すことで(※岸口議員は文書を渡す場に同席)、何を狙ったのかっていうところをちゃんと言わなきゃいけないわけですよ。
マスコミに言って、握りつぶされるっていうふうに言うんだったら、これはもう自分で発信するなり、吉村さん(維新代表)まで掛け合って、自分たち維新としても発表したいんだと。これはおかしいと思うんだったら、それはまず自分たちの党の中で決着をつければよかったのに、それをやった形跡っていうのが全く無いまま立花さんに渡していった。
で、その結果何をやったかって言ったら、『選挙に恐らくかなり影響があるから非公開にしましょう』って言った話を、みんなで合意した話を、合意を覆して『勝手に流してもいいですよ』っていうような話に結果としてなってしまってるわけですよ」
■「今年の夏の選挙もますます混乱ってのは避けられない」
また古市氏は、SNSなどを通じてだれでも情報発信ができるようになり、立花党首のように発信力のある人から様々な情報が提供されることで、今後も「選挙で混乱は避けられない」と話しました。
【社会学者 古市憲寿氏】「やっぱり立花さんって人がメディアになっているのは、確かその通りなんですけど。
昔と違って、新聞とかテレビとか、雑誌とかだけじゃなくて、誰もが発信できる時代になったんで、やっぱりそこでメディア環境がすごく変わったなと思うんですね。
だから多分、今年の夏の選挙(参院選)もますます混乱ってのは避けられないと思いますね」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年2月21日放送)