4日公表された百条委員会の報告書を受け、「県の対応は適切だった」と主張した斎藤知事。辞職の考えはないということですが、今後、県議会などはどう動くのでしょうか。
■「2度目の不信任案には慎重な姿勢を見せている」と最大会派の自民
【関西テレビ神戸支局 宮脇健也記者】「今後想定される動きは、1.会派ごとに辞職を申し入れる、または2.県議会での辞職勧告、さらには3.不信任決議案を出す、ですが、議員に取材をしていると『不信任案はハードルが高い』と感じます。
というのも、各会派はかなり”及び腰”になっているんです。
その背景に『議会解散のリスク』があります。不信任案が可決されると、知事は議会を解散することができます。
去年9月に出されたときは、知事は『失職』という形を選びましたが、最大会派の自民からは『1度不信任を受けて知事が再選している。次は議会を解散させられるんじゃないか』などと、2度目の不信任案には慎重な姿勢を見せています。
また、他の会派を取材しても去年と比べて、知事の辞職を求める勢いは落ちていると感じます」
■各会派は『第三者委員会の結果』待ち・「辞職勧告が現実的」の声も
【関西テレビ神戸支局 宮脇健也記者】「もう1つのポイントは、『第三者委員会の結果』を気にしている点です。県が設置した第三者委員会も、今月中に文書問題(告発)についての結果を公表します。各会派はその結果を待って、判断したい考えです。
ある議員からは『第三者委員会と結果が異なれば、百条委員会の報告書に疑問を持たれるかもしれない』、『この問題をいつまでやってるんだと県民からお叱りを受けることもあり、法的拘束力がなく、議会解散などもされない辞職勧告が現実的』という話も聞かれました」
議会はそのまま何もしない可能性もあるのでしょうか。
【関西テレビ 宮脇健也記者】「その可能性もあるのですが、知事や県の対応に大きな問題があると結論付けた議会が『何もしない』というのは避けたいようです。 今後も世論の動きを見て再度、不信任決議案の提出もあり得るという会派もあり、世論を見極めて、各会派が慎重に対応を考えているというのが本音のようです」
■横山副代表は「区切りとして、もう一度不信任案を提出を」
兵庫県民は斎藤知事の県政についてどう感じているのでしょうか。
【70代】「報告書の結果にしっかり向き合うべき。県民が納得できる説明をしないと信用できない」
【20代】「県民に判断を丸投げする姿勢が気になる。説明不足だと公約を実行してくれるのか不安」
【40代】「いったい何が真実なのか正直分からない。政策は期待しているから頑張ってほしい」
また日本維新の会の横山副代表は、「県議会は区切りとして、もう一度不信任案を提出し、次は斎藤知事が議会を解散させ、議会が信を得ればいいのでは」と県議会の対応について言及しています。
■「けじめとしてもう1回不信任案を出して解散になったら議員たちが審判受けるべき」
百条委員会の報告書を改めて確認すると、公益通報の対応については『違法状態の可能性がある』と指摘し、一方の斎藤知事は、公益通報について『適法の可能性もある』と主張しています。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「一番の問題は公益通報だと思います。政治の世界は『主流派』、『反主流派』、『実力者』なんかがいて、いろんなことがあって、『プレッシャーがあって言えない』なんてこともある。でも、公務員がきちんと言う場=公益通報は絶対に確保されなきゃいけない。これは兵庫だけの問題じゃないんです。
『違法状態の可能性がある』という調査結果で中途半端な言い方ですが、議会の中で徹底してやらなきゃいけないと思いますね。
それともう一つ、今後どうするか。地方自治体というのは、二元代表制なんです。つまり首長=知事も県民が選ぶけど、議会のメンバーも県民が選んでいるんです。
ここが切磋琢磨してぶつかり合って、いい県政をやってくださいということだから、けじめとしては、県議会はここまではっきりと報告書出して決議したんだから、もう1回不信任案を出して、解散になったら今度は議員たちが審判を受ける。
ここでまた世論を見ながら、『どうする?どうする?』ってやる方が、すっきりしないと思います」
今月中には第三者委員会の調査報告も出るということで、議会の動きが注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」2025年3月5日)