情報漏えいで維新を離党した増山県議 斎藤知事への告発調査する百条委員会「報告書出る前に知事に不信任決議 外形的中立性・客観性が損なわれた」と指摘 2025年03月07日
5日午前11時から兵庫県議会の本会議が始まり、斎藤知事に対する告発について調査していた百条委員会の報告書が議会に提出されました。
これについて、百条委員会の委員だったものの、NHK党の立花孝志党首に対し当時は非公開とされていた百条委員会の音声データを提供したことで委員を辞職し、所属していた維新からも離党した増山誠兵庫県議が「反対討論」に立ち、「報告書出る前に知事に不信任決議」「外形的中立性・客観性が損なわれた」と指摘しました。
■「百条委員会の報告書が出ないまま、県議会で不信任決議案が可決され、外形的中立性・客観性が損なわれた」
反対討論に立った増山県議はまず百条委員会について、「百条委員会の報告書が出ないまま、県議会で不信任決議案が可決され、外形的中立性・客観性が損なわれた」と指摘しました。
【増山県議】「百条委員会の審議が始められ、報告書が出る前に知事に対する不信任決議案が可決されました。私を含めた委員各位がどんなに公正中立に議論を行う意思を持っていたとしても、外形的中立性・客観性が損なわれており、議会自らが下した不信任決議を正当化する結論、すなわち不信任決議をしたことは正しかったという結論を導く組織になっているとの構造的な問題から免れることはできません。 この点については委員の一人として参加していたものとして、委員会の中立性への疑義を委員会の中で提案し、委員会の中止を含めた議論をすべきであったにもかかわらず、それができなかったことを、私自身大いに反省しております」
■「公益通報者保護法に違反しているか否かの議論が尽くされたとは言い難い」と指摘も
また増山県議は「公益通報者保護法に該当するかどうかの議論が十分に行われていないのではないか」と指摘しました。
【増山県議】「公益通報者保護法に係る調査の内容と結果について意見を述べます。書面調査に対し意見書をご提出いただいた野村修也弁護士は、『今回の文書の場合には通報者探索がやむを得ない事由に当たる』という主張を29ページにわたる詳細な意見書において述べられましたが、報告書では、この意見書の内容を『今回の文書の場合には、通報者の探索が例外的に許容されるのではないかという参考人の意見もあった』という一文にのみ反映しております。 野村修也弁護士は今回の事例を個別具体的な事案として精査し、通報者探索がやむを得ないとの意見を述べられておりますが、報告書ではこれに対する個別具体的な反証をすることなく、消費者庁の示した一般的な法解釈を示し、『公益通報者保護法に基づく指針を原則通り遵守すべきと考えられる』と、原則論をもって野村弁護士の意見を否定する文章となっております。 専門家による個別具体的な時代に沿った意見書を明確な反証が無いままに、一方的に報告書として否定をするなど公益通報者保護法に違反しているか否かの議論が尽くされたとは言い難い事実となっていると考えます」
■NHK党立花党首に「非公開」の百条委員会の音声データを提供し百条委員を辞職
増山県議は百条委員会の委員を務めていましたが、斎藤知事が再選した知事選挙前には「非公開」とすることが決まっていた、証人尋問の音声データをNHK党の立花孝志党首に提供し、SNS上に公開されることになっていました。
音声には、片山元副知事が告発者の私的な情報に言及し、「疑惑の調査には関係ない」と委員長が遮る場面が含まれていて、増山県議は先月20日、百条委員会の委員を辞職していました。
情報提供について釈明した記者会見では、「私は立花さんについては、メディアとして認識しておりまして。立花氏の発信力という点において、非常に発信力のある方ですので、この方にお伝えをすることによって、県民の皆さまが知ることができるのではないか」とその動機を話していました。