日本維新の会は自民・公明両党と合意し、与党過半数割れの衆院で新年度予算案に賛成しました。その動きを、“永田町の暴言王”と呼ばれた足立康史氏は「0点」と酷評した。
果たしてそれは、単なる“古巣への恨み節”なのか。
カンテレNEWSチャンネルでの関西テレビ永田町担当・鈴木祐輔記者との対談動画で語ったその真意とは。
■財源確保は「 行財政改革『など』」『など』は増税しかない
足立康史氏:子ども政策について一定の税金を投入していくのは、 私はアリだと思います。しかしここまで来ると、何がしたいのか分からない。
合意文書に財源について『行財政改革を行うことなどにより安定財源を生み出す』とあるけど、 行財政改革『など』と書いてある。
普通に考えれば、行財政改革以外の財源確保の仕方は、増税しかない。
■社会保障は国の根幹 3党で協議=ほぼ連立政権
無償化には、支援額を超えた授業料を保護者が負担する“東京方式”と、学校が負担する“大阪方式”があります。維新は自らが大阪府で進めてきた大阪方式を採用せず、東京方式で与党と合意しました。
これに足立氏は、「十分な政策立案、検討がなされたように見えない」と話し、大阪方式の問題点が検証されていないと指摘する。
さらに、吉村洋文代表が強いこだわりを見せ、「修飾語を削って言い切り型にした」と語る合意の文言についても、「詰めが甘い」と指摘。将来に増税の余地を残した内容なのではと、疑問を投げかける。
足立康史氏:(与党と維新の協議体は)もちろん進まない。 中身のある自民・公明と、中身のない維新が3人机を囲んでも、 何も生まれない。内政の一番大事な社会保障政策について、『一緒にハイレベルで協議します』と言っているから、ほぼ連立。 国の根幹について一緒に決めると言っているんだから。
■社会保険料軽減は「中身なきポエム」
自民・公明・維新の合意のもう1つの柱が、“社会保険料の引き下げ”です。足立氏は合意文書に具体性が乏しく、「ポエムでしかない」と手厳しい評価を下します。3党が発足させる社会保障改革の協議体も、「進まない」と切り捨てた。
さらに維新の目標として合意文書に記載した、“医療費は年間4兆円削減・社会保険料は1人あたり6万円引き下げ”も、「国民民主党の支持を引き剥がすために編み出した数字」だと主張する。
■馬場前代表の“X爆弾” 政界復帰は?
2024年10月の衆院選に出馬せず、政界を引退した足立氏。その直後は「山口百恵になる」と公言し、政治からきっぱり足を洗ったかに見えた。
しかし、かつて維新代表の座を争ったこともある馬場前代表がX(旧Twitter)に投稿した内容が、永田町に波紋を呼んでいる。
【馬場・前維新代表のX投稿】「かつて維新の会に所属していた足立やすしさんが国民民主党から参議院の大阪選挙区から出ることが濃厚になったそうです。頑張って下さい!!」
この投稿に対し足立氏は「何も決まっていない」としつつ、政界復帰への動きに含みを持たせた。
足立康史氏:公党の代表だった人が、当事者も政党も何も言ってないのに、そんなことつぶやく?『維新の会の足立』は死んだ。いち国民として選挙権もあるし、被選挙権もある。ぶっちゃけた話、色んな政党とやり取りはある。
石破首相の新人議員への商品券配布問題を巡って、政局が混とんとするなか、夏の参院選に向けて”永田町界隈”の人々の動きが慌ただしくなりそうだ。
(関西テレビ永田町担当記者・鈴木祐輔)