兵庫県の斎藤知事は21日の取材で、自身に対する告発について調査していた第三者委員会が「告発者を処分したことは違法であり、極めて不当だった」と報告書で指摘していることについて聞かれ、「私の、県としての考え方としてはこれまで会見で述べさせていただいた通り」と述べました。
これまで知事は、告発文と告発者の処分について「誹謗中傷性が高い文書で、処分は適切だった」という認識を示していて、これが変わっていないと明かした形です。
斎藤知事はこの取材で、第三者委員会の報告書について「分量が多い中で今読ませていただいている」とも述べています。
報告書は19日に公表され、資料を除いて約170ページあり、32ページの「ダイジェスト版」も公開されています。
■告発した元西播磨県民局長の懲戒処分 告発文を理由とした処分については「違法」と第三者委員会が指摘
第三者委員会が19日に公表した報告書では、知事のパワハラなどを告発した元西播磨県民局長に対する懲戒処分について、告発文を理由とした処分は「違法」と指摘しています。
21日午前10時からの取材では、報道陣から繰り返しこの点について質問が出ました。
(Q.報告書の中で、県の対応が違法とかなり厳しい指摘がされてますけども、その元県民局長の処分を撤回するとか、何らかのそういった県の対応について何らかの是正をされるようなお考えはありますでしょうか?)
【斎藤知事】「私のこれまでの見解、県としてはこれまで会見で述べさせていただいたという通りですね。第三者委員会の内容が出ましたので、ここは時間をかけてゆっくり読んで欲しいという委員長のご指摘もありますから、議会開会中と、まだ公務もかなり多忙なところですので、しっかり内容を読んでいきたいというふうに考えております」
(Q.改めるべきところは改めるとおっしゃいました。読む時間はかかるにしてもですね、ダイジェスト版をサラッと読まれた中でも、パワハラ認定、違法などと判定しているところもあるのを、読まれた上で改めて、今の時点で考えているところはないんでしょうか?)
【斎藤知事】「もちろん内容を読ませていただきながら、これは私が読ませていただくだけではなくて、県としての対応、そして法律的なところもありますから、法律的な見解もやっぱり整理していかなきゃいけないというところになりますね」
斎藤知事はこれまでに記者会見などで、元県民局長の告発文と懲戒処分については、「誹謗中傷性が高い文書で、処分は適切だった」という認識を示しています。
■繰り返し「告発した元県民局長の処分見直し」について質問が出るも…
(Q.元民局長の懲戒処分についても、違法という厳しい言い方がありました。これについて考え直すことないでしょうか?)
【斎藤知事】「私の、県としての考え方としてはこれまで会見で述べさせていただいた通りで、一方で先ほど申し上げた通り、第三者委員会での報告が出ましたので、そこをしっかり精査していくということが大事だと思います」
(Q.処分が撤回される可能性は今のところはある?)
【斎藤知事】「私の今の見解としては、これまで会見で述べさせていただいた通りですね。ただ第三者委員会の報告書をしっかり読み込んでいくということが大事です」