ことし夏の参議院選挙に出馬することを表明した前明石市長の泉房穂さんに対して、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、「ズルい」「卑怯だ」と非常に厳しい言葉を投げかけ、その意図について解説しました。
■「国会議員になりたいだけなのか」「西村さんのところで勝負せんかい!」
『政権交代を目指す』と言いながら、衆議院ではなく参議院に出馬することを決めた泉氏に対して、「国会議員になりたいだけなのか」と橋下氏は見解を述べました。
【橋下徹氏】「泉さん『政権交代を目指す』と言っているんです。彼はいろいろ政策を考えているところがあって、実行しようと思ったら政権を取らなきゃいけない。政治の世界って本当に戦いですから、気迫・覚悟が本当一番重要なんです」
「泉さんの地元の選挙区、衆議院の小選挙区では西村康稔さんが当選しています。泉さん、ここでは勝負を避けているんです。泉さんは衆議院の小選挙区では今まで勝ったことがない。参議院選挙(兵庫選挙区の改選定数は3なので)3人当選で、ある意味楽な選挙です」
「『政権交代』やるんだったら、衆議院の議席取らないとダメですよ。だから一番しんどいところを避けて、西村さんの首を誰が取りに行くのか、他人に任せるんですよね。自分は安全圏、メディアで名前を売って、まあ当選しやすいだろうという参議院の方に手をあげたというのは、国会議員になりたいだけなのかと僕は思ってしまいます」
「自民党の中でもある意味“大将級”である西村さんのところで勝負せんかい!。僕は大阪府知事から大阪市長になった時、都構想実現のためには大阪市長にならなきゃいけないのですが、一番しんどい選挙でした。誰もが大阪市長なんかなれないと。既存の自民党から共産党まで全部相手にして、大阪市内の各種業界団体、役所OB、役所組織が全部かかってくるわけです。そこで勝ったから、みんなついてきてくれているんです」
「泉さん参議院選挙で当選しても、誰も国会議員ついてこないですよ。こんな卑怯な選挙やったら」
■「本気で政権を取りに行くつもりです」と語る泉氏
泉房穂氏は出馬への思いをSNSで次のように述べています。
(「新党は作らないのか」というXのポストについて)
【泉房穂氏のXより】「ポイントは『衆参両院の過半数』の確保への道のりで、そこに向けての第一歩としての判断です。個々に当落に一喜一憂したり、党勢拡大どまりではなく、本気で政権を取りに行くつもりです」
「政権を取りに行くつもり」と話している泉氏に、「国会議員、一人で当選しても何もできない」と指摘します。
【橋下徹氏】「泉さんの考え方、減税だったり国民負担を下げる話だったり、いろんなことを言うのは自由です。コメンテーターは“言う”ことが仕事なので。でもそれやろうと思ったら、日本の二院制のもとでは、予算は衆議院が全部決める、これは現実そうなんですよ。だから参議院に行っても、泉さんの政策なんて何一つ実現できない。衆議院で多数を取らなきゃいけない」
「それともう一つ、泉さんは無所属で出るんですけども、これも彼のプライドなんですよ。頭下げたくないんです。自分はメディアである程度名が通っているので、無所属という立場で、立憲や国民とある意味対等で交渉したいと思うんでしょうが、国会議員一人で当選しても何もできません。だから彼は自分で政治グループを作るのか、ないしはどこかに頭を下げて政治グループに入らないと、政策なんて全く実行できない」
「じゃあ何のために(参議院に)行くのかといったら、国会議員になって、何かおしゃべりしたいのかなとしか、僕は考えられないです」
新党結成や他の政治グループとの合流の可能性について、「僕の聞いてる限りでは、誰一人国会議員はついていかない」と橋下氏は話します。
【橋下徹氏】「永田町の国会議員というのは、『そのリーダーについていって自分が次の選挙で勝てるか』、それから『そのリーダーが本気なのかどうか』というのを見るんです。泉さんが参議院に出たところで、僕の聞いてる限りでは、誰一人国会議員はついていかない。自分の当落、ある意味政治生命をかけてはついて行かない」
「もしここで西村さんに勝負をかけて、これを打ち負かしたということになれば、やはりついて行く人が出てくると思う。今回、参議院で各党弱っているところで、3議席のうち1議席を、これだけメディアで名前を知らしめていたら、取らない方がおかしいんじゃないですか。政治家はみんな政治生命をかけてやっている。戦国大名がどういうボスについていくかといえば、死ぬ覚悟のあるボスにしかついていかないですから。僕が見る限りは、その死ぬ覚悟が見えないですね」
また橋下氏は予算を通すのは衆議院の役割だと述べ、その仕組みを十分理解しているはずの泉氏が参議院選挙へ出馬することに対して、「僕はちょっと卑怯だなと(思う)。やっぱり落選するのが嫌だったんでしょうね」と述べました。
■参議院選挙・兵庫選挙区での立候補表明
兵庫選挙区は改選定数3で、すでに自民党の現職・加田裕之さん(54)、公明党の現職・高橋光男さん(48)、参政党の新人・藤原誠也さん(36)が立候補を表明しているほか、維新が候補者の擁立を調整しているということです。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」 2025年3月24日放送より)