フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングスが、3月27日午後5時から会見を開き、新たな役員体制に移行したことを明らかにしました。
■41年間経営に影響を及ぼしてきた日枝氏退任
【菊地幸夫弁護士】「会見でフジMHDの金光修社長が言っていましたが、ひとつは年齢のことがあると思います」
【菊地幸夫弁護士】「あと『総合的に』と説明されていたのですが、今テレビ界が置かれている状況とか、ネットの普及とかを考えて、なるべく平均年齢を下げて、若い新鮮なネットなどにも敏感な感覚の持ち主を、取締役に多く入れるという選択は、方向としては正しいのだろうと思います」
フジMHD・金光修社長は日枝氏について、次のように話しています。
・早い段階から経営刷新に賛成していた
・経営を刷新する方向に関しては任せると言っていた
・本人からもフジサンケイグループの代表を辞任する申し出があった
■「41年間も取締役に在任 普通の上場企業では考えられない」
日枝氏は経営に影響力を及ぼす立場に41年間在任していて、フジテレビにとって大きな存在でした。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「フジテレビもしくはフジメディアホールディングスを引っ張ってきた人物であるのは間違いないと思います。41年という、普通の上場企業ではなかなか考えられないぐらい長期にわたって経営の座にいた」
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「あまりにも長すぎたために、影響力はかなり大きくて、ある種、日枝さんの“独裁”ということがフジ社内外から聞かれ、そのような体制に批判もありました。今回、経営陣を刷新する、若返るということで、年齢のこともあり、日枝さんが退くという判断になったと思います」
株主や社員から辞任を求める声が相次いでいたことも、退任に影響したのでしょうか。
【菊地幸夫弁護士】「例えばスポーツ団体や経営団体などで、理事というようなものは2選~3選ぐらいを限度に変えましょうというようなものが、スポーツ庁などの指導もあるんです。だから40年というのは、やっぱり長すぎると思います」
日枝氏はフジテレビの風土や文化を作り上げてきた、大きな影響力をもつ人物だったわけです。この部分を改革するということは、フジテレビの改革の本気度があらわれてくるのではないかと思われます。
■フジテレビの経営陣刷新 10人中、新任が6人
日枝氏を含めた経営陣の刷新が行われます。
フジテレビ・清水賢治社長は、経営刷新について次のように説明しています。
・非常にコンパクトな取締役の構成
・監督機能と職務執行の分離を考えた
・経営と執行分離した透明性
・ガバナンスの高い会社経営にしたい
取締役の人数を大きく減らし、平均年齢も下がりました。
【菊地幸夫弁護士】「数が少なくなると、機動性という点で意味があると思います。それから大きなことは外部比率で、外部の方の比率が非常に増えた。あと女性比率です。やっぱり外部比率と女性比率が今、いろんな企業でガバナンスの一つの目安としてよく用いられます」
【菊地幸夫弁護士】「あとフジテレビの取締役10人中、新任が6人ということです。大分思い切った刷新だと思います」
これまで女性の取締役比率が1割ぐらいだったところから、大きく変わったといえます。
経営陣の刷新、そして日枝氏の退任が、フジテレビの信頼回復につながっていくのか、注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年3月27日放送)