職員へのパワハラを認めた兵庫県の斎藤知事は、自身の処分について改めて否定しました。
一方、県職員の懲戒処分指針にはパワハラを行い苦痛を与えた職員には処分をする方針が記載されていて、27日の会見では整合性について知事に質問が相次ぎました。
■パワハラ懲戒指針「相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた職員は、停職、減給又は戒告」
19日に公表された県の第三者委員会の報告書では、業務中に職員を叱責するなどの斎藤知事の10件の行為をパワハラと認定しました。
斎藤知事は26日の会見で初めてパワハラを認め、謝罪しましたが、自身の処分については「襟を正していく」として、否定していました。
兵庫県では職員の懲戒処分指針があります。
【懲戒処分指針】 「パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする」
実際に、斎藤知事が初当選をした2021年以降もパワハラを行った職員に対しては、減給などの処分が行われています。
■職員が納得するかの質問に「風通しの良い職場づくりに向けてしっかりと全力で取り組む」
27日の会見では、職員がパワハラをした場合は、懲戒処分が下されるにもかかわらず、パワハラを認めた知事が自ら処分を行わない理由について記者から質問が相次ぎました。
【記者】パワハラの懲戒処分指針があり、部下にパワハラを行った職員が実際に減給処分が行われているのに、なぜ知事は自身を処分しないのか?
【斎藤元彦知事】「(そのような)ご指摘は受け止めたい。私に関しては自分自身が襟を正してしっかり業務を遂行していくと、そして研修などを受けながら再発防止をやっていくということが私の責任の果たし方」
【記者】職員が納得すると思うか?
【斎藤元彦知事】「(そのような)指摘は受け止めつつも、私としては風通しの良い職場づくりに向けてしっかりと全力で取り組んでいきたい」
■職員労組委員長「仮にパワハラをしている職員がいるとすると、その職員にお墨付きを与える」
斎藤知事のこの姿勢に対し、職員からは疑問と不安の声があがっています。
【兵庫県職員労働組合・土取節夫委員長】「謝罪はしたが、普通は処分もついて回るはず。職員が安心して働ける職場作りっていうのは、自らの身も、具体的にきちんと示さないとおかしい。 仮にパワハラをしている職員がいるとすると、その職員にお墨付きを与えるということになる」
また、告発文書の対応について第三者委員会が「違法」と認定したことを知事が受け入れない姿勢に対しては…
【兵庫県職員労働組合・土取節夫委員長】「通報したら犯人捜しされて同じように潰されていくのでは。適法だと言っているから危ないです」