中居正広氏と女性とのトラブルをめぐる一連の問題について、フジテレビと親会社は第三者委員会の報告書を3月31日午後3時半に公表し、午後5時から第三者委員会が記者会見を開きました。
関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、「”中居氏トラブル”がどのようなものだったかによって、フジテレビの対応が評価できるので、トラブルの内容について、第三者委員会の事実認定が重要」と指摘しました。
※放送時間は、午後1時50分からで、第三者委員会の報告書の公表前の内容となっています。
■フジテレビ問題 第三者委員会の報告書を受け、きょう会見実施
論点がたくさんあるので、ポイントを4つに絞ります。
1.中居氏と女性とのトラブル一体何があったのか
2.フジテレビに問われている“接待文化”の有無
3.中居氏がトラブル後も番組を出演継続していたこと
4.退任が発表された日枝氏の責任
この4つのポイントです。
【橋下徹氏】「全ては1.(中居氏トラブル)のところですよ。中居氏のトラブルの内容。で、これは詳細に公にすることはできない部分もあります。これはプライバシーの問題とかそういうことで。ただ公にできないという話と、第三者委員会がしっかりそこを調査して、どういうトラブルだったかということを調査委員会が認定するって話は、これちょっと分けて認定は絶対必要です。というのは、中居氏トラブルがどういうものなのかによって、フジテレビの判断がそれが良かったのか、悪かったのかが評価できるので、この中居氏トラブルの所をもし避けた第三者委員会の報告書だったら、全く意味がないと僕は思います」
また橋下氏は「事実に基づき議論しなければならない」と“雰囲気で議論”する事への懸念を示しました。
【橋下徹氏】「それと注意しなきゃいけないのは、雰囲気で攻めるのはよくないと思います。兵庫県の斎藤知事の問題も僕は地上波が失敗したのは、“パワハラ”、“おねだり”とか、その他の疑惑を雰囲気で攻めて、告発者つぶしのところはもうはっきりとそこは分かっていたけれども、斎藤さん否定してますけどもね。でもパワハラおねだりのところは、結構いい加減なアンケートのものとかあったりとか、あれでガンガン斎藤さん攻めたでしょ。今回も特に(最初の)会見がクローズドだったから、あれが非常に取り上げられたり、それから10時間会見があのドタバタ劇、あれなんかも取り上げられたりとか」
「それから後で議論もさせてもらいたいと思うんですけど、日枝さんの話というものが、ここで出てきていますけれども、これ“中居さんのトラブルの話”と“日枝さんの話”は、全く別なんでね。だからこれは、なんとなく世論の雰囲気で議論するんじゃなくて、しっかり事実に基づいて、その事実の確信は1.(中居氏トラブル)が、どういうものだったのか?ここに調査委員会がちゃんと踏み込むかどうかをしっかり見なきゃいけません」
■一連の問題と 問題発覚から今までについて
まずはこれまでの経緯から振り返っていきます。
24年12月、一部週刊誌が中居氏と女性とのトラブルを報じたことで、この一連の問題が明るみになりました。その後フジテレビは、公式ホームページで社員の関与を否定しています。
ことし1月17日、“クローズ会見”テレビカメラを入れず、参加者も制限した形で行いました。すると批判の的となりました。
1月23日、中居氏が芸能界の引退を発表し、第三者委員会の設置も発表されました。
1月27日、異例のおよそ10時間半にわたる、フルオープンの会見が行われ、当時の港社長、嘉納会長の辞任が発表されました。
3月27日、日枝久氏の退任が発表され、経営陣が刷新されました。このタイミングというのが、第三者委員会の調査結果の公表前に行われたということも議論を呼びました。
中居氏が引退してから2カ月がたちましたが、この間の動向などで分かったことを、フジテレビの情報番組などで長年、芸能キャスターを務める大村正樹さんに聞きます。
【大村正樹さん】「個人的にはすごく長かったという印象なんですけれど、ただこの間に、どなたが第三者委員会に呼ばれて、どういう形のヒアリングを受けたか、この辺りは全く漏れ伝わってこないんですよ。世の中の人が、このニュースに触れる雰囲気ですよね。ただフジテレビサイドにも、中居さんサイドにも言い分はあると思うんですよ。これまで世の中に伝わっているのは、週刊誌を介して伝わっている女性側の言い分と、それから週刊誌の言い分と、それから中居さんが早い段階で全面的に非を認めておわびをして、芸能界を引退したという所。じゃあ本当にここまで何があったのかと。
恐らくフジテレビも2カ月前に、3月中には第三者委員会の報告をまとめると発表して、で有識者の中にも『絶対に間に合わない』といった論調もあったんですけれど、結果的にこれから出ますから、なんとか年度末に間に合わせてきたので、恐らく『実はこういうことがあったんだ』と、そこまではある程度出てくると思います。 ただ、中居さんと当事者の女性との守秘義務の問題で、中居さんは多分ヒアリングには応じていると思うんですけれど、そこが文書にして出るかどうかは別問題だと思ってます。でもある程度のことは、世間の方が『こうだったのか』と分かるようなものが出てくると思ってます」
■中居氏と女性のトラブルにフジテレビ社員の関与は
フジテレビの社員・A氏が中居氏と女性との間のトラブルに関与したかどうかというのも争点になっています。
週刊文春とフジテレビの意見が食い違っています。
週刊文春は、このA氏がトラブルに関与していたと主張しています。
【週刊文春側(記事訂正後)】 「X子さんは取材に対して、『事件はAさんがセッティングしている会の延長だったことは間違いありません』と証言しています」
※週刊文春は当初、トラブルになった会食についてA氏が誘ったと報じ、その後訂正。
【フジテレビ側】 「当初より一貫して、当該社員は食事会の設定を含め一切関与しておりませんと主張し、発行元に対してもその旨を伝えておりましたと、A氏のトラブル関与を否定しています」
文春側とフジテレビ側で見解が異なる点で、“性の上納”という非常に強い言葉が飛び交いました。
第三者委員会の結果公表によって分かる部分はあるのでしょうか。
【橋下徹氏】「これも事実は第三者委員会がしっかり認定しなきゃいけませんが、ただ文春については僕がインタビューに答えて、一私人の立場でも『文春の記事違うよ』っていうことで、文春が間違いを認めてくれたわけです。言い分が食い違ってるって言いますけれども、共通しているのは中居さんのトラブルがあったその日。その日には、フジテレビの社員は関与してない」
トラブルの前に食事会があったから、「A氏がセッティングしている会の延長だった」という認識でした。
【橋下徹氏】「まずトラブルの当日にAさんは、フジテレビの職員は関与してない。ただ、10時間会見の時にみんな質問者は全てAさんが関与して、こういうトラブルが生じたと前提に、ワンワン質問してたけども、当日は関与してない。しかしその前のバーベキューにはAさんは関与していた。じゃあこの前に行われたバーベキューと、トラブルがあったその日。これがつながってるかどうかっていうのは、実は文春側は女性の気持ちしか証拠を出してないんですよ。女性の心として『つながっています』と言ってるだけなんです。客観的な証拠がないんですよ。だから第三者委員会は、しっかりその証拠を持ってAさんの関与、トラブルの当日の前のバーベキューと、それからトラブルの日がこれは一緒のものなんですという証拠をちゃんと出せるかどうかということですよね」
第三者委員会のメンバーがその認定をするのでしょうか。
【橋下徹氏】「それはだから、女性の”気持ち”だけで延長と言うのかどうなのか、これは第三者委員会がどう判断するかですけど、普通は気持ちだけでは認定できません。前のバーベキューとトラブルの日が一体のものだっていう女性の気持ちだけじゃ無理ですよ。これやっぱり客観的な証拠が必要になる。だから、繰り返しになりますけど、フジテレビは、悪ければ悪いで責任を取らなきゃいけないんだけど、感情でやったらダメです。
中居さんのトラブルが犯罪的なものだったのかどうなのか、それからフジテレビの社員の関与というものも、女性の気持ちでAさんが関与してるかどうかってことじゃなくて、客観的な証拠を持って、本当にAさんが関与したと言えるかどうかっていうところを、見なきゃいけないと思いますね」
■女性側の気持ちを考えると 別日のBBQとトラブルの日はつながるのでは?
女性側の立場で考えると、全く別だとは考えにくいのではないでしょうか。
【橋下徹氏】「それはトラブルの日に誘ったのは中居さんなんです。そうすると中居さんがうそをついたということですよね。フジテレビ関係なくなっちゃいますよね。だから中居さんがうそをついて、フジテレビの社員も来ますよ、誰だれも来ますよと、中居さんが女性に伝えた。女性はそれを信用する、信用する前に中居さんは、『いや、やっぱりこの社員たちは来ません』と。『やっぱり2人で会おう』って話までは言って、2人で会おうということで女性が応じたってことも、これも週刊文春は認めてるんです。ということになると、これってフジテレビの問題なのか中居さんと女性の2人の個人的な問題なのか、これ本当ね、どっちかをちゃんと第三者委員会が認定しなきゃいけない」
この事実に関しては、フジテレビは第三者委員会の調査に任せるとしています。
【橋下徹氏】「女性の人権、プライバシーを守ることは重要です。ものすごく重要なんだけど、今こういう状況になってきた場合には、女性を守る、守るということで事実にふたをしちゃだめ。これは犯罪的なものなのか、いやそうじゃない犯罪的な要素が色が薄いのか、ここはっきりさせるってことが重要です」
誘われた時に中居氏の背景を想像して、女性はその誘いに応じたのではないでしょうか。
【橋下徹氏】「被害に遭われた女性の方が、これはフジテレビからのプレッシャーだ、いやAさんが関与してると思ってしまうような、そういう組織文化だったかっていうのが、2(“接待文化”の有無)のところの問題なんです」
■関西テレビでの社内調査結果 回答率は9割近く 「不快な思いした」回答は複数あり
関西テレビの加藤さゆり報道デスクは。
【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「関西テレビでも今回のフジテレビの問題を受けて、芸能関係者との会食接待に関する社内調査を行いました。実際にそういう芸能関係者から何かあのセクハラですとか、そういった被害を受けたことありますかっていうような調査があったんですけれども、結果としては、『すぐに対応が必要な緊急性のある事案はありませんでした』と。『一方で会食などの場で、不快な思いをしたことがあったという回答は複数あった』ということです。
回答率としては8割を超えて、9割近くありましたが、内容を見ますと例えば、しつこい誘いがあったとか、ハグをされたとか、そういったことを記述する方もいらっしゃいました。 これは関西テレビの調査結果ですけれども、業界全体としてこういったことがあるかどうか、まだ今すぐには言えないですけれども、確かにかつてそういった例えば、女性を飲み会の場所に連れてくる。それがアナウンサーであれ、社員、記者であれ、誰でも営業なんかもありますし、そういった場所に連れてくるっていうことはかつてもありましたし、現在もなくはないっていうことは実際にあると思います。私も記者をやっていて、やっぱり取材相手の方が男性が多い場所ですと、『ちょっと来て』って言われることもかつてはありましたし、その後の責任を取ってくれるかっていうと、そこまで分からないっていう所もありながら行ったケースも、なくはなかったですからね」
飲み会や接待の形だったり、誘い方と言うのも今、問われています。
■中居氏の出演が続く… フジテレビのガバナンス・コンプライアンスに直結する問題
発覚した後もなぜ中居氏の出演が継続してしまったのかについて時系列から振り返っていきます。
23年6月 トラブルが発生。一年半もの間、中居氏は「まつもtoなかい」という番組の出演を継続していました。
これがどうしてだったのかについて、フジテレビの上野広報室長は会見でこう述べています。
【フジテレビ 上野広報室長】「本来、中居氏への調査をもとに、適切に判断されるべきだった。開始からまもなく唐突に終了することで、憶測を呼ぶことを憂慮し、当初番組を中止するような大きな動きを作ることを控えたいという考えがあった」
としています。
【大村正樹さん】「僕は個人的に元々の入り口から、今回この問題が一番、フジテレビのガバナンスとかコンプライアンスにつながっているので、ここの流れはつまびらかにするべきだと思っている。ただ整理してみると、『まつもtoなかい』という番組は、2023年の春の改編でスタートした番組で、春改編は4月にスタートしますけれど、『まつもtoなかい』は4月の新番組の中で一番最後、4月30日の月曜日が初回の放送でした。そこに元SMAPの香取慎吾さんが登場するということで、非常に大きな話題になりました。そして今回、中居さんと女性のトラブルが起きたのが、『まつもtoなかい』の放送わずか5回ぐらいしか放送してない中で、この問題が起きて、そして会社内の一部の方がその事実を知りました。
ここで重大な事案と思えば、番組を打ち切るという手もあったかもしれませんけれど、恐らく最初知っていた、ごくわずかの方々というのは、上に上げているはずなんです。当時の港社長も8月の上旬に『知った』とお話をしていますから、この段階で、社内でどこまで共有されているのか。コンプライアンス委員会に報告されていない。番組が継続している。
その半年後に、今度は松本人志さんのトラブルが明らかになるわけですよ。そうなると社内である程度、この中居さんのトラブルが共有されていれば、2023年の12月から2024年の1月段階で、番組を打ち切るというこういうことも可能だったと思うんですよね。ただそれから1年間、この番組が続きました。そういったところに当事者の女性からすると、『私がこんだけの思いをしてるのに、どうしてフジテレビはちゃんと向き合ってくれないんだ』と気持ちが変わってくる。フジテレビに対する感情が非常に厳しくなるというのも、なんとなくこれ合点が行くんですよ。だからここの経緯は明らかにしてもらいたい」
誰のどんなタイミングでの判断でこうなったのかというのもこの後の発表を待ちたいと思います。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年3月31日放送)