元タレント・中居正広さんと女性との トラブルを巡る“フジテレビ問題”に関して、調査をしていた第三者委員会が、3月31日、報告書を公表しました。
関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に電話で出演した芸能トラブルに詳しい河西邦剛弁護士は「第三者委員会の報告書は踏み込んだ内容で、フジテレビによる二次加害行為も認定していることは非常に重い事実」と指摘しました。
■想像よりも踏み込んだ内容 会社側の判断が間違っていた
394ページにわたる第三者委員会の調査報告書を見た時の率直な印象感想について、河西弁護士は「非常に踏み込んだ内容だ」と述べます。
【河西邦剛弁護士】「非常に踏み込んだ内容になっているかと思います。単純に長いだけでなくて、誰が具体的にどういう責任があったのか、そこに対してかなり事細かに、事実認定をし、分析をしているそういった報告書という印象を受けました」
河西弁護士が想像していたものよりも踏み込んだ内容ということでしょうか。
【河西邦剛弁護士】「かなり踏み込んだ内容ですし、1月27日の前回の記者会見の時に、会社側の方が言っていた、例えば『女性のプライバシーを優先した』であったりとか、『女性の意向をくみ取った』とか、そういった会社側の主張や理論を全て否定し、判断が間違っていたんだということが記されています」
改めてトラブル当日の経緯は以下のようなものです。 ・トラブル発生は2023年6月2日。
・中居氏が女性Aさんを食事に誘い、「メンバー声をかけています」と連絡も実際には大雨を理由に誰にも声をかけず
・「メンバーが集まらない」と2人での食事を提案。
・中居氏は店を探すというも、実際には探しておらず。
・中居氏は所有しているマンションでの食事を提案。
・これに対し女性Aさんは「仕事に影響が出るのではと、行きたくないが行った」
・そしてその場所で性暴力被害にあった。 トラブル当日の流れや細かいやりとりなども、調査報告書に書かれています。
■業務の延長と判断されたポイント「圧倒的な権力格差」「番組を通じて知り合った」
報告書では、中居氏と女性の間に起きたことは、「業務の延長上の性暴力」とされています。このように認定されたポイントについて、河西弁護士は次のように指摘しました。
【河西邦剛弁護士】「2つのポイントがあります。1つ目は、女性と中居さんとの圧倒的な権力格差です。中居さんに誘われたら、業務の関係で『今後に影響してしまうかな』、『会社にデメリットが生じてしまうかな』っていうところから断われる状況ではなかった。そしてもう1つが、これはかなりポイントなんですけれども、会社側の方は中居さんと女性の2人の関係を見た時に、番組を通じて知り合ったってことは認識できたでしょうと。そうするとこれは業務の延長として、2人の関係を捉えることが適切ではないか。そういった認定が第三者委員会でなされていて、業務の延長での性暴力だと認定されてるってことですね」
他にもトラブル当日ではなく、その前のバーベキューの会が、経費として会計されていたという部分も報告書にあります。
【河西邦剛弁護士】「経費として会社側に申請されたものを、会社側も決済を出してるわけです。そうなってくるとこれは会社が承認した会ということになってきますので、そうすると業務性というのが一気に上がってくる。そういった認定がなされています」
■フジテレビ側は「自分たちにとって都合のいい事実しか見てない」
さらに報告書では女性Aさんから被害の報告を受けた後のフジテレビ側の対応、特に経営陣の対応も厳しく指摘されました。
【河西邦剛弁護士】「これは業務か、業務じゃないかにも関わってくるんですけれども、結局、何が判断の違いだったかっていうと、会社側は港前社長を含めて、色んな事情がある中で自分たちにとって都合のいい事実しか見てないんですね。例えば2人だけだった中居さんと、例えば会社の業務時間外の行為であったとか、そういった事実を前提にして、プライベートなトラブルとしている。第三者委員会の側としては様々な事実を見る中で、会社側に報告があった事実だったりとか、そこからの女性の訴えだったりとか、そういったところから業務上認定したということです」
■守秘義務で話せなくても 結果をみて「相応の被害行為があった」と認定
様々な事実を見ていく上で、今回は2人の間で守秘義務が結ばれているというのも大きなポイントです。 女性側は守秘義務の解除に応じる意向を示しましたが、中居氏側は守秘義務の範囲内はヒアリングに応じませんでした。 こうなった場合の調査というのはどのように行われるのでしょうか。
【河西邦剛弁護士】「具体的に言うと、中居さん側が守秘義務の解除に応じなかったそうすると、トラブル当日の部屋に入ってから、そして部屋が出るまでについては、守秘義務の対象になってくるので、女性側も話はできないという話になりますし、中居さん側もヒアリングには応じないという話になってきます」
「ここがどう影響してくるかというと、第三者委員会の方では、中居さんによる重大な人権侵害なんだと認定してるわけです。元々フジテレビの場合は、人権侵害の疑いのあると言ってましたけれども、第三者委員会の方では性暴力だと認定したわけです。何が変わったかというと第三者委員会の方は例えば女性が事件後にPTSDなっていること、トラウマ治療を受けていること、こういったところを重く見て、人権侵害と認定したというところになってきますね」
部屋の中で何がつぶさに行われていたのかが守秘義務で話されなくても、その後のPTSDなどで性暴力であるということが認定できるということなのでしょうか。
【河西邦剛弁護士】「非常に第三者委員会の方が重く認定しているのが、その後の被害の状況になってきます。やはり入院するであったりとか、PTSDになっているということがあれば、それは相応の被害行為があったんだろうということが推測されるわけですね。こういった事実認定になってますね」
■フジテレビによる二次加害行為も認定
394ページにわたる調査結果の報告書。その中で河西弁護士が気になったという一番のポイントが、「フジテレビによる二次加害行為も認定された」ということです。
【河西邦剛弁護士】「中居さんによる加害行為だけではなくて、フジテレビによる加害行為が行われた、これが第三者委員会により認定されたことは非常に重い事実です」
被害者に寄り添っていなかった、その後の対応が良くなかったということでしょうか。
【河西邦剛弁護士】「例えばどういった事実関係があったかというと、“お見舞い”。入院している女性に対してフジテレビの幹部の方がお見舞い金100万円を持参した。その時に女性がどう思ったか。
『被害を受けた自分よりも、中居さん側にフジテレビの幹部は立っているんだ』、『突き放された』そう思った可能性があるわけです」
※第三者委員会の報告書では、「社員B氏が中居氏の依頼で入院中の女性に見舞金名目で100万円を持参」と記載。
【河西邦剛弁護士】「他には、“番組を継続した”。テレビで中居さんを見る、『結局、フジテレビは中居さん側を優先しているんだ』と思えてしまった。そうなってくると女性が一番当初から達成しなかった、『職場に戻りたい』という気持ちに対して、フジテレビは中居さん側に立って行動することによって、女性側をどんどんどんどん突き放していった、孤立させていった。その結果、退社にいたっていった。そういった認定になってるんですね。これをフジテレビによる二次加害、二次被害と認定してるってことです」
■番組継続の決定は被害を知っていた元専務も関与
中居氏が出演している「まつもtoなかい」が継続となった経緯を振り返ります。
・去年1月9日、松本氏が芸能活動の当面休止を発表。
・当時のフジテレビの大多専務、B氏などを含めた会議で、番組名を変更しての継続を決定した。
・去年2月4日、「だれかtoなかい」に変更し放送を再開。
そしておととし12月には、去年4月の番組改編では番組を終了しないことを決めていたため、終了させる協議をしていなかったということも分かりました。
今回の件に関してはフジテレビのガバナンス、つまり被害を受けた女性に対する対応であったり、こうした番組継続の決定に関しても問題視されています。
この報告書を受け、当時のフジテレビ大多亮専務(現・関西テレビ社長)のコメントが発表されました。
【フジテレビ大多亮元専務(関西テレビ社長)】「厳しいご指摘を受けたことを真摯にそして深く受け止めております。被害に遭われた女性には寄り添うことができず、心よりおわび申し上げます」
河西弁護士はこの点についても重要視していると話します。
【河西邦剛弁護士】「港社長であり、大多(当時)専務ですけれども、コンプライアンス室に報告をせずに、自分たちだけで考えていたということなんですね。それに対して、1月27日の記者会見においては、『なるべく少人数で寄り添って、女性の社会復帰を目指していた』と(説明していた)。 ですが、それらはやはり会社の企業統治、きちんと人権を意識した上で人権侵害があった時には、きちんと対応することを会社の経営の基準として考えた時に、そういったことは適切ではないと、今回の報告書で認定されたということですね」
■フジテレビの落ち度“人権侵害が蔓延してる” どう変わるべきか
そして第三者委員会の報告書では、フジテレビの落ち度について委員会はこのようにまとめています。
・業務の延長線上の行為ではなく、プライベートの問題であると即断してしまった
・番組の継続、弁護士の紹介など中居氏の利益のための行動が、女性Aさんの疎外感、絶望感を形成させた。
この報告書をこの後フジテレビがどう受け止めていけばいいのでしょうか。
【河西邦剛弁護士】「フジテレビの中では“人権侵害が蔓延してる”と書かれているんですね。そうなってくると今後のトップとして、現状とはまた異なって、場合によっては人権侵害に対しての専門家を入れていくってことをしないと、スポンサーや株主が納得しないっていう可能性があります。
フジテレビにおいては、例えばハラスメントがあったときに厳正な処理がされないので、相談しても意味がないと思われている可能性があると。そういったことがあると、被害者によってハラスメント被害をしても、さらにそれが続いていく負の連鎖につながっていく、そういったことが認定されているんですね。なのできちんと会社側が人権であり、ハラスメントに対して、徹底的に対応していく。そういった企業づくりこれがポイントになってきます」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年4月1日放送)