死者2700人以上となったミャンマー大地震は、発生から5日目を迎えます。 関西にいるミャンマーに関係する人たちを取材すると、軍事政権であるがゆえの支援の難しさが見えてきました。
3月28日に発生したミャンマー中部を震源としたマグニチュード7.7の大地震。 軍事政権は2719人が死亡し、負傷者が4521人と発表しました(地元メディアによる)。
多くの安否不明者がいることから、死傷者はさらに増える見通しです。 またタイの首都・バンコクで建設中のビルが倒壊した現場では、13人が死亡、74人と連絡が取れていません。
■帰国した日本人「地震が起きる発想がなかった」
バンコクから関西に帰国した人たちは…
【仕事でバンコク駐在】「当時ビルの15階にいたんですけど、初め、めまいかなというぐらいで。ビルにヒビが入っていたので、怖いなーと思いながら。地震が起きる発想がなかった」
【バンコクに3年間滞在】「家が崩壊するような、バリんって鳴ったり、柱の中の木とかタイルがバキバキ割れている音。日本では聞いたことない音だった。本当に怖くて、崩れ落ちると思って、死ぬと思いました」
■ミャンマー人男性「めちゃくちゃ悲しくて見たくない」でも「今どうなのか知りたい」
故郷を心配する人たちもいます。
大阪市内にあるミャンマー料理店では、食事中でも、スマートフォンを手放さない人たちの姿が目立ちました。
【ミャンマー人の男性(25)】「めちゃくちゃ悲しくて、見たくないですよ」
(Q.見たくないのに見るのはなぜ?)
【ミャンマー人の男性(25)】「今どうなのかを知りたい。大丈夫かなと。今もちょっと地震があるから、まだ大丈夫かなと思って、見たくないのに見ています」
気になるのはやはり故郷の状況です。
■家族を残し大阪でミャンマー料理店を開く男性「連絡取れない3~4時間が僕にとって地獄」
ミャンマー料理店を経営するニンウェイさん。
妻と子供2人をミャンマーに残し、おととし日本で店を開きました。
地震直後、家族から自宅が壊れた写真だけが送られてきたといいます。
【妻と子供がミャンマーに住む ニンウェイさん】「何があったのか分からなくて、写真だけ送ってきたので、電話してもすぐには出ない。子供2人の状態も分からない。起きた時から、3~4時間連絡取れない。その3~4時間が僕にとって地獄みたい」
その後、家族全員の無事が確認でき、いまは妻の実家に避難しているということです。
【ニンウェイさん】「息子が今寝ています。これは娘です。いつもなら仕事で忙しくて夜帰ってから電話で話すんけど、今は仕事中でも電話しています」
どんなに心配でも駆けつけらない理由があります。
【ニンウェイさん】「国が内戦でバラバラの状態になっていまして…」
2021年のクーデター以降軍事政権による支配が続いているミャンマー。 軍と民主派組織などとの間で激しい内戦が続いていて、ニンウェイさんは帰国すると軍に拘束される恐れがあるということです。 家族のもとに帰ることができないニンウェイさんが見せてくれたのは、地震により一変した故郷の様子でした。
■多くの支援が必要な現地 しかし軍事政権下であるため難しい支援
いまミャンマーはどのような状況なのでしょうか。
【モーママさん】「水も足りない、食べ物もない、住む場所もないので、道へ出てみんな寝て…」
取材したのは被害が大きかったマンダレー近郊に住むモーママさん。 【モーママさん】「いろんな建物が倒れて、道もなくなって。倒れたビルの中から死んでいる人を外へ出すことはまだですね。(救助の)機械もないし、助ける人も少なくなっています」
多くの支援が必要な状況の現地。しかし、軍事政権下にあることで支援が難しくなっていると、外国人研修生を支援する団体は指摘します。 【PHD協会常務理事 坂西卓郎さん】「日本から支援したお金が被災者に届くのか、軍が使わないのか。すごく最悪のケースだと義援金が銃弾に代わって、被災者に向けられるのではないかという懸念があります。シンプルに送金できるか分からない」
発生から5日目となったミャンマーの地震。現地ではいまも懸命な救助活動が行われています。
■震災時にうその情報は消して流さず、情報を見る方も注意を
生存率が大きく下がるといわれている72時間を超えました。救助活動がなかなか進んでいない現状があります。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「機材や人が足りないこともありますし、震源近くで医療の設備が整っていないところが多くて、本来であれば助けられる命が助けられない。停電で電力がないこともあるんですけど、いろんな物が不足してることが、救助が進まない大きな原因となっています」
軍事政権下での支援の難しさもあるということです。
【AIエンジニア 安野貴博さん】「(支援金が)銃弾に変わってしまうかもしれないと聞くと、なかなか送金もしづらい現状があると思います」 また災害時にフェイク動画などが拡散される問題について、安野さんは「こういった震災など大きな事件あると、必ず面白半分で、うその情報を流す方が出てくるんですけど、そういったことは絶対やめていただきたいと思いますし、見る方もちょっと注意しなければならない状態がある」と注意を促しました。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年4月1日放送)