開示資料の中に「籠池氏側が近畿財務局職員に『安倍昭恵氏との3ショット写真』見せた時の記録」なし 「森友問題」巡り財務省が検察に提出した文書が開示される 赤木さん妻が夫のカバンで持ち帰る 1年かけて開示約17万ページ分のうちの一部2000ページ超 2025年04月07日
「森友学園」に関する文書改ざん問題をめぐり、自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さん(当時54歳)の妻・雅子さんが開示を求めていた資料の一部がきょう4日、財務省から妻に渡されました。
今回渡されたのは、1年かけて開示される約17万ページ分の資料と電子データのうちの一部で、2000ページ以上のものです。 雅子さんは夫に何があったのか、「真実が知りたい」と情報公開請求したものの国に「不開示」とされ、裁判を経てようやく開示が決まっていました。
そして今回開示された資料の中に、安倍元総理大臣の妻・昭恵夫人と森友学園の籠池夫妻(受刑中)の3人で映っている写真を、籠池氏側が近畿財務局の職員に見せた時の記録=応接録がないことがわかりました。
これまで近畿財務局の職員は雅子さんに対して、この時の応接録は作成されていると説明していました。
■開示前に赤木さんの妻・雅子さん
「期待しすぎてもあかんし、でも期待はしたくて」
きょう4日、受け取りを前に関西テレビなどの取材に応じた雅子さんは、資料を入れるために、俊夫さんが使っていたカバンを持ってきたといい、「期待しすぎてもあかんし、でも期待はしたくて。(開示された資料で)何が出るのか」と心中を語りました。
【赤木さんの妻・雅子さん】「(カバンを見せて)これに入れてあげようと思って持ってきたんです。手帳と…朝、晴れてたし、夫に行ってくるよって(言って出てきました)。いただいたミモザの花を飾って。夫は大好きだったんで、喜んでるだろうなあって思って」
【赤木さんの妻・雅子さん】「結局(午前)3時、4時ぐらいから目が覚めてて、ここ2、3日寝られなくて。期待しすぎてもあかんし、でも期待はしたくて。何が出るのか…(赤木さんは)亡くなってもう7年なので。世の中から忘れられてるんですけど、私は忘れられないんで。(きょう開示される資料で、土地の)売り払いに関するものが出たらいいなあ。(赤木さんは)売り払いは悪くないとずっと思っていて、疑問を持っていなかったので。『売り払いは問題なかったよ』って上司がおっしゃっていたんですが、本当なのか」
■「森友」関連文書改ざんを苦に近畿財務局職員が自死 具体的な改ざんの経緯は不明のまま
2017年に大阪府豊中市の国有地が8億円以上値引きされ、学校法人に売却された「森友学園」の問題を巡って、財務省は関連する公文書を改ざん・破棄していました。
近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんは、改ざん作業を強いられ、うつ病を発症し、自ら命を絶ちました。
赤木さんの妻・雅子さんは当時、夫は自分を責めるような言動を繰り返していたと振り返ります。
【赤木さんの妻・雅子さん】「『犯罪行為をしてしまった。僕は犯罪者なんだ。内閣が吹っ飛ぶようなことをしてしまったんや』とは言っていたので。『死ぬ。死ぬ。もう僕は死ぬんだ』ってことばっかり言って」
財務省は調査報告書で、当時の佐川宣寿理財局長が「改ざんの方向性を決定づけた」と結論付けましたが、具体的な指示や経緯などは今も明らかになっていません。
■妻が「財務省が検察に資料」の開示求めるも「不開示」 裁判を経てようやく開示に
「真実を知りたい」と雅子さんは、財務省と近畿財務局に対し、検察に提出したとみられる資料の開示を求めましたが、返ってきたのは資料が存在するのかしないのかさえ明かさない「不開示決定」でした。
雅子さんは、国に決定の取り消しを求める裁判を起こし、1審では敗訴するも、ことし1月に大阪高等裁判所は逆転して「不開示決定」の取り消しを命じる判決を言い渡し、2月に国側が上告せず、判決が確定していました。 財務省は、17万ページ以上に及ぶ資料と電子データを1年かけて開示する方針を固め、4日、このうち2000ページ以上の資料が雅子さんと弁護団に手渡されました。