4日、辞任を表明したフジテレビ元専務の大多亮関西テレビ社長は、一連の問題を調査した第三者委員会に「中居氏の出演を継続させたことによって、女性の戻りたい職場を奪い、中居氏の利益のためとみられる行動をとったことは二次加害行為に当たる」と指摘されていました。
大多社長は中居氏の番組出演を継続させた理由について、これまでに「(問題が)公にならないようにということを常に最優先に考えていた」と述べていましたが、4日の取材対応では「自分たちが良かれと思ってやっていたことが、彼女にとって全然違っていたという指摘は本当に情けなく、一番大きな反省点」と述べました。
京都大学大学院の藤井聡教授は、こうした大多社長の対応について、「予断と偏見で判断していて、非常に大きな責任がある」と厳しく批判しました。
【京都大学大学院 藤井聡教授】「いろいろな可能性が、当時考えられたと思うんですね。当時大多氏はじめ、(対応に当たった)3人が『こうだろう』と判断したという内容があったとしても、それ以外の可能性も十分、予期可能だったわけで。
脆弱な情報のまま予断と偏見で『こういうことだろう』と判断して、その上で動いてしまったと。それがあの二次被害、中居氏ずっと出演を続けるという意味での二次被害を導いたというのは、非常に大きな責任があると思います」
■中居氏が女性を誘った経緯について 大多社長「ひどいと思った」 調査はなされていたのか
第三者委員会の報告書によると、中居正広氏が”トラブル”になった女性を食事に誘った際、実際には他の人には声をかけず、飲食店も探していなかったのに、そうしたように装ったメッセージを送り、2人で食事をする状況にしていました。
これについて大多社長は「本事案は中居氏が言ってみれば、嘘とは言いませんけども、ああいう形で呼び出し、2人になってしまったっていうのは、最初の報告でプライベートだと思っていたが、ひどいと思いました」と言及しました。
当初報告を受けてから大多社長が、中居氏と女性との”トラブル”についてどこまで深く調べていたのか、疑問に思われる発言です。
【京都大学大学院 藤井聡教授】「仮に(被害への配慮から)調べないということがあるにしてもですよ、立場が上司の立場で、責任がある立場で、業務に関わるさまざまな事案についての責任者ですから、そこについてしっかりと情報を調べなかったというのは、情状酌量の余地はないと思います。責任を果たしていないという点で、これは上司の責任が重いと言わざるを得ないと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2025年4月4日放送)