新社会人の間でじわりと注目を集めている『退職代行』。
退職を希望する人の代わりに会社に退職の意向を伝えるサービスですが、今年度は早くも依頼者が急増しているといいます。
退職代行業者「OITOMA(オイトマ)」では、4月9日時点で、すでに今年4月入社の新入社員から131件の退職代行の依頼が来ているということです。
4月10日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、「OITOMA」の藤澤歩美さんに、依頼の傾向や実際にあった退職理由を解説してもらいました。
また番組に出演した北斗晶さんは子を持つ母親として、ノンフィクションライター石戸諭さんは自身も会社を退職した経験から、意見を述べました。
■退職代行の依頼は「朝」が多い
退職代行業者から連絡を受けた企業経営者が、ショックを受けたという話も聞かれますが、企業側の反応も変化してきているのでしょうか。
【OITOMA 藤澤歩美さん】「(OITOMAの)設立当初は、『退職代行です』とお電話したときに、本当に怒られる方が結構多かったです。今はちょっと減ってきて、『そうですか…』というようにお受けしてもらえるようになってきたかなと思います」
そして依頼がくるタイミングは「朝」が多いということです。
【OITOMA 藤澤歩美さん】「前日は『頑張るぞ』というお気持ちだったという方もいらっしゃるんですけれども、やっぱり朝起きて行きたくないという気持ちで、相談される方というのが多いです」
■「ストレスを抱える人にこそあるべき」と北斗晶さん
新社会人と同世代の子供を持つ北斗晶さんは、もし自分の子供が会社に入ってすぐに辞めたいということにあれば、「『自分で言いなさい』と言います」と話しました。
【北斗晶さん】「自分で言いなさいって言いますね。(辞めること自体は)自分の人生で、そこは自分の判断だと思って育ててきている。自分の人生なので、自分で決めなさいと言いますけど、できれば自分で言ってほしいと思います」
【北斗晶さん】「ですが、退職代行に関しては全く反対ではないんです。なぜかといったら、怖くて言えないとか、その状況には言いづらいとか、すごいストレスを抱える人もいると思うので、そういう人にこそあるべきだと思う」
新聞社を退職した経験を持つノンフィクションライターの石戸諭さんは、「いまの経済状況が退職を後押ししている」と話しました。
【ノンフィクションライター 石戸諭さん】「僕はその(退職の)時、自分で言いましたけど。いま退職というのが、ある意味すごくやりやすくなっているじゃないですか。仕事の求人もちゃんと出ているし、ある程度辞めても次がある、探しやすいという、いまの経済状況というのも(退職を)後押ししているところはあると思いますね」
■代行業者に実際に相談があった“驚きの退職理由”
退職代行業者「OITOMA」の藤澤歩美さんによると、
・始業前のラジオ体操が嫌だった
・休み時間以外スマホを触れない
・5分残業させられた
など、いろんな理由で退職の相談をしてくる方がいるということです。
【OITOMA 藤澤歩美さん】「直近だと『制服が似合わなかった』と言って、2日出勤して辞められた方がいました。求人のページで仕事している方の風景が写っていて、それを確認した上で入社されていたのですが、自身でいざ袖を通してみたら似合わなくて、これを着続けるのはしんどいという形で、ご相談いただいた方がいます」
退職にはいろんな理由、いろんな事情があるということです。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年4月10日放送)