1等・前後賞合わせて10億円の年末ジャンボ宝くじが22日発売されました。
東大阪市のある売り場に並ぶお客さんには“お目当て”が…。
客:
「“福の神”がいらっしゃって、良く当たるって聞いてたので…」
別の客:
「お名前が、縁起がいいかなと思って」
売り場の人たち:
「大冨です」「福徳です」「恵美須屋です」(全員で)「福娘です!」
ここは縁起のいい名字の販売員が集まった売り場。今年のサマージャンボでも1等が出ています。
恵美須屋さん:
「(高額当選が)一番嬉しいですよね。当たりが出た時が嬉しいね、大きいのが出たらね。私らも欲しいと思って、7億も出てるのにと思って、ちょっともらってもいいんちゃうかなと(笑)」
夢が膨らむ「宝くじ」。ただ、街のみなさんも気の早い心配事があるようで…。
男性:
「10億円と言っても実際にちゃんと貰える額は2~3割(税金を)取られるんかな?」
別の男性:
「当たったら税金引かれるんですか?分からないですけど、引かれるって競馬とか競輪とかもありますよね」
また別の男性:
「もらった宝くじを売るのは犯罪なんですか?問題あるのかないのか…」
女性:
「宝くじもらって、例えばそれが高額当選だった場合、『返して』って言われたら返さなアカンのかな」
10億円が当たった時のために知っておきたい、“宝くじにまつわる法律”を菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「1つ目のポイントとしては、賞金額は法律で限界ギリギリということです。
宝くじのルールとして、『当せん金付証票法』という難しい名前の法律があります。この法律の中で1枚のくじで最高賞金どこまでかというのは決まっているんですね。それが年末ジャンボ宝くじでいうと現在は7億5000万円、これが上限なんです。ですから1等7億円というのは上限ギリギリ。それで前後賞合わせて10億円ということになってるんですね」
――その1等賞金の上限は上がってきているということですね?
菊地弁護士:
「1987年は6000万円、それが99年に2億円となって、2015年には7億円と法律が改正されて増えてきました」
――もし当たった場合のポイントはどんなことでしょう?
菊地弁護士:
「賞金いっぱいでも、税金は実はゼロです。ただし、分配の際にはちょっと気をつけていただきたいと思います。
当せん金付証票法の中で、所得税は課しませんという規定がちゃんとあり、当たった賞金は非課税です。ただ年末ジャンボの場合ですと、1枚300円のうち約120円が地方自治体の収益となり、実は買った時に事実上の税金を払っているということなんですね。
ちなみに当選した段階では非課税なのですが、そこから“山分け”ということになると、もらった人は贈与税がかかってきます。例えば1億円をあげたとしますと、もらった人には半分残るか残らないかです」
――お金を出し合って買う共同購入のケースについてはいかがでしょう?
菊地弁護士:
「一緒に買ったということをどうやって証明するかですが、一つの方法としては銀行に取りに行く時に、できれば共同購入者全員で行ったほうがいいんですが、『あなたにはいくら当たりましたよ』という証明書にサインをしてそれを取っておく、それが共同購入で分けているんですという証明になります」
――街の方のお話にもありましたが、もらったけど要らないから売ってもいいのか、あるいはもらった宝くじが当たっていて、「返して」と言われたら返さないといけないのか、これらについてはどうでしょう?
菊地弁護士:
「宝くじを売っていいのは自治体など法律で決められた機関だけです。当せん金付証票法に『転売してはダメ』と規定されていて、転売は違法になりますのでご注意ください。
一方、宝くじをあげるのは贈与ということになるのですけど、『あげる』という口約束の段階では取消は可能なのですが、いったん相手に宝くじを渡してしまったら、当選してから『返して』とは言えなくなります。
ですから宝くじを人にあげる時は、例えそれが当たっていてもいいという決心をしてあげてください」
(関西テレビ11月23日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)