緑が大切なはずの公園で次々と伐採されていく植物。一体なぜなのか…。
(リポート)
「実はこのソテツ、誰かが無断で勝手に植えたものなんです」
葉先が尖っていて危険なソテツに、まるでガーデニングかのように草木が生い茂る一角。許可を得ずに公園に勝手に植えられていた植物を大阪市が強制撤去に乗り出したのです。
公園を利用する男性:
「それはあかんのと違う?勝手に植えるのは悪いと思う」
公園を利用する女性:
「小さい子だと、思わず口に入れてしまい、毒があったら危ない。危険な物は植えないでほしい」
こうした“勝手植え”は相次いでいて、昨年度大阪市内で98件の撤去作業が行われました。もちろん費用は税金でまかなわれます。
十三公園事務局 園田美早紀所長:
「公園管理者として、必要な場所に必要な樹木を植えておりますので、勝手に許可なく植えることはやめていただきたいです」
公園は子供からお年寄りまで多くの人が使う公共の施設。マナーを守って利用するのが当然のはずですが…。
(リポート)
「公園にある植え込みに大量のペットボトルが捨てられています」
大阪市内の公園で無数に放置されたペットボトル。なぜか一か所に固められ、半分以上飲み残されているものも。この公園では今年10月ごろから度々奇妙なゴミが捨てられていて地域住民も困惑しています。
さらに別の公園では、スケートボードが禁止されているはずが、夜な夜な繰り広げられる若者たちのルール違反も。
街の皆さんに公園でのルール違反について聞いてみると…。
公園を利用する女性:
「公園のお花を摘んだりしていいのか…さすがに花壇の明らかにダメそうなのはしてないですけど、これくらいならいいかなっていうのは摘んでた記憶はあります」
公園を利用する男性:
「滑り台とか遊具の上とかでみんなでお菓子パーティーとか、ゲームしてたりするんで、小さい子を連れて行くと遊びづらいです」
街の女性:
「歌の練習とか、若い子が場所なかったりするのは仕方ないことやし、ちゃんと邪魔にならんところでやってくれたら頑張ってねって気持ちになるけども」
別の女性:
「飼ってたペットの死骸とか魚の死骸とか埋めたりするのはダメかな…」
公園の法律について菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「公園のルールでは占用、損傷、危険がNGワードです。だいたい私たちの近くにある公園というのは、都市公園法あるいはそれに基づく自治体の条例でルール作りがされています。今回の“勝手植え”の例でみると、勝手に植えられた植物が場所をとってしまうので公園を占用、独り占めしてしまっているということになりダメです。都市公園法では懲役6カ月以下または罰金30万円以下という罰則もあります。
さらに生態系を乱すとか、他の植物と相性が悪いとか、既に公園にある他の物も傷つける損傷の恐れがあります。今回、勝手に植えられていた物の例としてソテツがありましたが、先が尖っていて危なく、利用者に危害・危険を及ぼす恐れもあるということで、法令上問題があると考えられます。
また、そのほかにも公園にテントを張って、そこでずっと寝泊まりすることも占用にあたりますし、スケボーで手すりやベンチを傷つけることは損傷になり、してはいけません」
――意外にも“これでアウト?”というようなこともあるそうですね?
菊地弁護士:
「公園のお花を摘んで子供に…というケースについては、実は器物損壊罪にもなり得ると考えられます。その公園がよそ様の敷地ということを考えれば、そこに植わっている物は綺麗な花だろうが摘んではいけないということになります。ただタンポポとかまで犯罪になるのかという問題はあるのですが、法律的に考えると器物損壊罪にもあたり得ると思います。
また金魚のお墓を公園に…という場合も廃棄物処理法違反となる可能性があります。ペットの死骸というのは法律の目から見ると廃棄物なんですね。ですから供養というお気持ちがあったとしても廃棄物を勝手に捨てるということは違反になると思われます。先ほどご紹介した都市公園法でも公園を汚損する行為となり、法律上問題が出てくると思います。
公園というのはそこに住んでいる方たちの憩いの場、癒しの場ということで必要な所だと思いますので、お互いを慮って、上手く気持ちよく利用していただきたいと思います」
(関西テレビ12月14日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)