「紫式部・源氏物語執筆の地」は3匹の鬼を退治する「節分会」で有名なお寺だった【兵動大樹の今昔さんぽ 関西テレビ「newsランナー」】 2025年02月07日
1枚の写真から街を再発見!兵動大樹の今昔さんぽ。
1944年(昭和19年)に京都市上京区で撮影された写真。「鬼」と燃え上がる炎が写っていますが、節分の行事でしょうか。
京都の賀茂川と高野川が合流する、通称「鴨川デルタ」付近から、写真が撮影された場所を見つける旅へ出発です。
■京都には有名な「節分」祭りがいくつもあるが…
昔のことなら商店街にある「満寿形屋さん」がよく知っていると聞いたので行ってみると、店主の梅垣昌治さん(71)が「廬山寺(ろざんじ)や」と一発で教えてくれました。
【梅垣昌治さん】「この(節分の)時は中学校早引きしてくれよる。赤鬼、青鬼、黒鬼。(私は)小学校1年から行っています。そして矢を打ちよるんだけど、矢を取ったんや。小学校6年か。大人がポロっと落としたところ取って、ラッキーや」
■「廬山寺」は紫式部・源氏物語執筆の地
教えてもらった廬山寺(ろざんじ)ですが、紫式部が源氏物語を執筆した地なのだそうです。
平安時代、廬山寺は現在よりも北西の船岡山近くで創建され、現在地には紫式部の曽祖父の邸宅があり、そこで紫式部が生まれ育ったのです。廬山寺が移転してきたのは、それから500年以上あとの時代です。
【廬山寺 執事長 町田享宣さん】「鴨川沿いに紫式部さんの一族がお住みになられていた。いまの場所が紫式部さんのお家であると分かったのは、昭和40年のことです」
【兵動大樹さん】「(この場所からは)紫式部さんが見た空と同じ空が見えているんですね」
■写真は廬山寺の「節分会 追儺式 鬼法楽(せつぶんえ ついなしき おにほうらく)」
そして本題の節分の写真。廬山寺を創建した元三大師(がんざんだいし)良源が、護摩行の最中に現れた3匹の鬼を退治した故事があり、「節分会(せつぶんえ)」の行事に反映されているのだと言います。
3匹の鬼は「三毒」を表し、赤鬼は貪欲、青鬼は瞋恚(しんい、怒りの心)、黒鬼は愚痴の化身で、人間を邪魔しに来るのです。
追儺師(ついなし)と呼ばれる人物が、東西南北に矢を放ち邪気を払う儀式があり、その矢を受け取れば厄除け・開運にご利益があると伝えられています。
【兵動大樹さん】「廬山寺さん、紫式部さんが源氏物語を書いた場所であるとか、いろんな情報がありました。ご興味ある方はぜひどうぞ」
(2025年の節分会は2月2日に行われました)
▲兵動さんの今と昔を探る旅の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」 2025年1月31日 金曜日放送)