俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。
今回訪れたのは、京都「伏見」。かつて豊臣秀吉が伏見城を築いたことで城下町として栄え、坂本龍馬など幕末の志士が活躍した場所でもあります。
また全国的に有名な酒どころで、月桂冠や黄桜などの大手酒造メーカーをはじめ、多くの酒蔵が集まっています。
■名水が流れる街に驚きのウラ話
伏見大手筋商店街の入口ギリギリのところを横切っているのは京阪電車。
そのすぐそばには近鉄電車も走っていて、近鉄だけはなぜか高架橋になっています。近鉄の「桃山御陵前駅」の鉄道高架橋は京都では初めて造られたものだそうです。
1928年(昭和3年)に開業した、近鉄京都線の前身「奈良電鉄」は、もともと陸軍の施設の横を通る線路を計画していましたが、陸軍が難色を示したため、地下鉄にすることになりました。ところが地下鉄工事を知った伏見酒造組合は「このままでは地下水に深刻な影響が出る」と猛反対。酒造りに欠かせない伏見の名水を守るため、大蔵省や鉄道省にも働きかけた結果、高架式での通過が認められることになったのです。
古くから伏見に流れる地下水は「伏水(ふしみず)」と呼ばれ、江戸時代には地名も「伏水(ふしみ)」と書かれていました。伏見の名水はまろやかで鉄分が少なく、酒造りに適しているのです。
商店街にある「吟醸酒房 油長」には、伏見の全ての蔵元の日本酒が80種類以上そろっていて、酒屋には珍しい試飲カウンターもあり、店主の奥田浩二さんおすすめの一杯を飲ませてもらうことに。月桂冠でつくられている「果月」は日本酒ですが、メロンのような甘い香がして、大東さんもびっくりしました。
■2度絶滅した「幻の酒米」で究極の酒造り