京都人のソウルフード「にしんそば」発祥の店で味わうにしんのタレと薄めのお出汁が「たまらん優しさ」【大東駿介の発見!てくてく学 関西テレビ「newsランナー」】 2025年02月15日
俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。
今回、大東さんが訪れたのは「京都・祇園」。メインストリートの花見小路通は、老舗だけでなく新しいお店も立ち並ぶ、日本でも指折りの観光スポットです。
■おしゃれで便利「手ぬぐい」「風呂敷」のお店
400年を超える歴史を持つ「永楽屋」は、豊富な種類の手ぬぐいや風呂敷を扱うお店。日本の伝統にとらわれない自由な発想のデザインが人気です。
2025年の新作で早くも大人気の商品は、4人の舞妓さんが八坂神社前の横断歩道をビートルズのように歩く「マイコ・ロード」という手ぬぐいです。
また風呂敷は結び方しだいで、バックやペットボトルケースとしても使え、大変便利なものだと、14代当主・細辻伊兵衛さんに教えてもらいました。
■京都人のソウルフード「にしんそば」
400年を超える歴史をもつ南座。場内は3つのフロアがあり、座席は約1000席。歌舞伎を始めとするさまざまなエンターテインメントの中心地です。
12月の「吉例顔見世興行」が有名で、歌舞伎役者の名前が書かれた看板がずらりと並びます。古くから、役者は芝居小屋と1年間の出演契約を結ぶのが習わしで、新しいシーズンに入る際に、次の1年に出演する役者をお披露目する意味で、看板を並べたのが始まりとされています。
劇場のお食事処として、南座とともに歴史を重ねてきた「総本家にしんそば 松葉」。にしんそばを生み出したお店と言われています。
普通のにしんそばは、にしんがそばの上に乗っていますが、松葉では麺の下に潜らせています。
北海道から運ばれてくる乾燥にしんは、海のない京の街で貴重な海産物として出回っていました。140年以上前に、にしんとそばを松葉2代目の店主が組み合わせ、今では京都人のソウルフードとなっています。
■祇園で見つけた進化する和の履きもの
100年以上の歴史を持つ「祇園ない藤」は、ぞうりや下駄など、和の履きものを作るお店。
メインとなる「台」と呼ばれる部分は、日常使いのものから、舞妓さんや料理人が使う専門のものまでさまざまなものがあります。そして、鼻緒は豊富なデザインや色から選べます。それぞれのパーツは専門の職人さんたちが作っていて、商品として完成させるのが内藤さんの仕事です。
内藤さんは「オーダーメイド」とは言わず、「おあつらえ」と言うことにこだわっています。
【5代目 内藤誠治さん】「オーダーメイドはヨーロッパの貴族が、知識を持っていて、職人に『こう作れ』とオーダーするもの。日本のおあつらえは、『結婚式があって』『お花見があって』『こんな感じで出かけたいんやけど』とお客さんが相談して、職人が対話によって作っていく」
対話を重ねながら、望み通りの商品を作り上げていく、日本の職人に宿る「おあつらえ」文化を、内藤さんは大事にしているのです。
しかし現代は欲しい履きもののイメージでさえ、伝えるのが難しいと感じるお客さんも増えています。
そこで対話をスムーズにするための空間がお店の奥に。内藤さんの蔵書を中心にさまざまな本が並んだ空間で、何となく気になった本を持ってきてもらうことで、自然に会話が始まります。これが内藤さんの狙い。初対面でも手に取った本をきっかけにお客さんの価値観や趣味嗜好が伝わってきます。お客さんがどんな履きものが欲しいのか、イメージを共有するきっかけになるそうです。
【大東駿介さん】「過去からの伝統と、現代を生き抜く知恵がここにあると思いました」
▲大東さんの“発見”の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2025年2月6日 木曜日放送)