お風呂の気持ちよさに「笑ける」有馬温泉最古の旅館の主人は「街に活気」取り戻した仕掛け人【大東駿介の発見!てくてく学 関西テレビ「newsランナー」】 2025年03月01日
俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。今回、大東さんが訪れているのは有馬温泉。
1400年以上の歴史を誇る有馬温泉は、豊臣秀吉をはじめ、足利義満、黒田官兵衛、千利休など名だたる歴史上の人物たちが、心と体を癒やしたとされています。豊臣秀吉は記録に残っているだけでも9回、有馬温泉を訪れているそうです。
■有馬唯一の竹工芸 450年の伝統を守る職人魂
1868年(明治元年)創業の「有馬籠(ありまかご)本店」。4代目のくつわ昭竹斎(しょうちくさい)さんがお話を聞かせてくれました。
全て職人による手作りで、普段使いできるお弁当箱などさまざまな商品が並びます。
有馬籠の発祥は安土桃山時代。千利休が有馬の良質な竹を使って、花器を作らせたのが起源とされています。全盛期の大正時代には多くの工房があったそうですが、現在はこの店だけが有馬で唯一、伝統の技法を守り続けています。
【くつわ昭竹斎さん】「きれいな花を引き立ててやる花器。花に勝ったらあかん。だからできるだけ素朴に作る」
有馬の竹は細く、色艶がいいのが特徴。太い竹よりも、細い竹で編まれた籠は、竹の表情が出るそうです。籠の素材となる竹を薄くする作業にも熟練の技術が必要です。82歳の昭竹斎さんは、有馬籠を作り続けて60年ですが、「これが絶対いいというものはない。まだ半人前や思って頑張る」といいます。
■温泉街を変えた驚きのアイデアとマル秘復活劇
鎌倉時代1191年に創業した「陶泉 御所坊(とうせん ごしょぼう)」。豊臣秀吉をはじめ、歴史的な人物たちにも愛されてきた、有馬温泉最古の旅館です。
15代目当主、金井啓修(ひろのぶ)さんが案内してくれました。
御所坊の大浴場は、家族で入ってもらえるよう、半混浴風になっているのが特徴です。
部屋にお風呂がついたプレミアムスイートで、有馬の金泉を体験させてもらった大東さん。
【大東駿介さん】「笑けてくんな。なめらかで、気持ちいいです」
有馬温泉最古の旅館「御所坊」には、ユニークで斬新な屋上温泉プールもあります。開放感たっぷりの屋上で水着を着て楽しめるようになっていて、温泉に漬かりながらお酒を飲むこともできます。カップルや外国人観光客にも大人気だそうです
金井さんは有馬温泉を再生させた仕掛人でもあります。1980年代前半、旅館の大型化によって館内の施設が充実。宿泊客が外に出ないようになり、有馬の温泉街は閑散としていたそうです。そこで金井さんは、湯上がりの1杯が飲める居酒屋や、ほっとひと休みできケーキを食べられる喫茶店などを次から次に作りました。
しかし30年前の阪神・淡路大震災で再びピンチが訪れました。
【金井啓修さん】「震災の時は宿泊のお客さんがほぼ皆無。10カ月間。その間、日帰りの温泉とお食事を勧めた」
この日帰りプランで観光客が急増。30年前には有馬に7軒しかなかった飲食店が、現在80軒ほどになりました。街が活気づき、日本でも屈指の人気温泉地になったということです。
【大東駿介さん】「家族で来たい場所ですね。子ども連れてきたいなあ」
▲大東さんの“発見”の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2025年2月20日 木曜日放送)